HOME > 日本補助犬協会 補助犬大使 応援メッセージ

小原 日登美(おばら ひとみ)
2012年ロンドンオリンピック女子レスリング48kg級・金メダリスト。
青森県八戸市出身。陸上自衛官。
世界選手権 8回 優勝


※聞き手:安杖 直人(あんづえ なおと)
秋田県秋田市出身。防衛大学校卒の元陸上自衛官。高校、大学でレスリング部に
所属。現在は日本補助犬協会職員として勤務。


 文中A:聞き手(安杖) O:小原さん


A:東京五輪招致、レスリングの競技存続おめでとうございます。また、当協会の補助犬大使をお受け下さり、誠にありがとうございました。
 今日のインタビューは、ロンドン五輪について、東京五輪・パラリンピックについて、補助犬について、お伺いしたいと思います。
 小原さんの著書(絆があれば、どこからでもやり直せる)を読んだ率直な感想ですが、金メダルを獲得する一流のアスリートの考え方や心境が、一般人には想像もつかない程の高みにあることが分かり、大変参考になりました。
 大変な困難を克服しつつ、最後に最高の栄光に輝いた訳ですが、その困難があったからこそ喜びも大きく、多くの人に感動を与えたのではないかと思います。

O:最後に目標が達成できましたが、挫折している最中は自分を認められない部分もありました。でもオリンピックが終わり、どの部分が欠けていてもこのロンドンオリンピックは無かった、全部つながっているんだというのはすごく思いました。




A:48kg級という階級はどうでしたか?

O:元々は妹がずっと戦っていて、自分は51kg級だったのですが、体重をしっかりと落とせば48kg級でも普通に勝っていけると思っていましたが、初めて戦ってみて思った以上に相手はスピードもあり、オリンピック種目階級だけあって技術の高さを感じ、同じレスリングだけれどもレベルの高さを実感しました。


A:スピードはあると思いますが、パワー面ではどうですか?

O:力自体はそんなに感じなかったんですが、自分自身も階級を落として軽くなっているので、相手のパワーというよりも自分の力自体が体重を落とす前のように持てているのかなという心配が常にありました。たかが3kgですがいつもと違う感覚で足に力が入らない感じや、ふわふわした感じがしました。いかに減量をうまくやって試合に挑むかというのが課題でした。


A:ご自分にとってのベストな階級はどちらだと思いますか?

O:オリンピックがもしあれば、51kg級という階級が自分にとってはベストでした。




A:著書にもありましたが、決勝戦の相手が準決勝で勝って喜んでいるのを見て、「そんなことでいいのか」と思ったと述べていましたが、その辺が経験の差なのでしょうか?

O:そうですね。自分もアジア大会で負けた時には一回戦で強い相手に勝って、喜んで油断して、それだけではありませんがそういうことがあって負けたので、優勝するまでは本当の大勝負は終わっていないという気持ちでやりました。




A:アジア大会での負けというのは、すごく悔しかったと思いますが、それが経験として活きているということですか?

O:そうですね。アジア大会での負けは、すごく色々なことを学んだ負けでしたし、負けると自分だけでなくみんな一緒の気持ちで落ち込み、悲しいんだというのが分かって、あれから学んだことやあの負けを忘れずにいれたことがオリンピックにつながったと思います。


A:ご自身にとってのレスリングとは?

O:性格が飽き性なので、何をやっても長続きしないし、もともと不器用で何かが人より秀でているというのも無かったので、唯一自分が没頭して続けてこられた、自分を表現できるのがレスリングだと思います。


A:東京五輪が決まり、体育学校も一層の発展・活躍が確実と思われますが、今後の小原さんの目標、活動などについてお聞かせ下さい。

O:初めてオリンピックに出場して、自分の試合は終わったが、そこからメダリストとしての責任とかオリンピックがどういうものかというのを勉強したりして知ることができたので、それをこれからオリンピックを目指す選手に伝えていくのが自分の役割だと思いますし、また体育学校からメダリストが出るように裏方として支える仕事を頑張りたいと思います。今は広報室に勤務していて体育学校のことをもっと知ってもらったり、イベントで子供たちと一緒にスポーツをやったりという活動をしています。


A:東京招致も決まり、今後パラリンピックに対する注目度が俄然増すことが予想されます。障害者の持つ障害への理解、施設及び心理面でのバリアフリーの進歩が期待されます。また、小原さん自身も今後意見を求められたり関わりが少なくないと思いますが、パラリンピックに対する考えや応援メッセージをお願いします。

O:東京招致でアルゼンチンに行きましたが、そこでパラリンピックの選手と出会い、仲良くなって話をしたり、色々と教えてもらったりしました。その時に感じたのは、パラリンピックもオリンピックも隔ては無く、二つで一つということです。オリンピックと同じようにパラリンピックも報道してもっともっと知ってもらって、そこから元気をもらう人達もたくさんいると思います。
 東京では、オリンピックとパラリンピックが一つになって最高の舞台が築ければいいな思います。


A:補助犬に対する印象をお願いします。

O:5年前に初めて安杖さんと介助犬フレザーを近くで見た時が、私にとって補助犬との出会いでした。フレザーがすごく忠実で、頭が良く、しゃべれないけど心がつながっているのが分かりました。「何かいいなぁ」って、すごく感動しました。


A:補助犬大使として応援メッセージをお願いします。

O:今回、私を「補助犬大使」として頂いたことを、すごくありがたく思っています。

まずは補助犬について少しでも知ってもらうこと、理解してもらうことが大切だと思います。これから補助犬たちがたくさん増えて、人も犬もみんなが暮らしやすい世の中になっていけるよう、私も大使とし頑張りたいです。

最後に補助犬大使委嘱状を受け取って頂きました。素顔の小原さんは、マット上での闘志溢れる姿からは想像できない程、東北人らしく純朴で犬が大好きな優しい女性でした。
今後の益々のご活躍を祈念致します!!